いびつなカタチ

正直レギュラーフル出勤は
まだアタシには堪える。
でもそれでもホストの為に、もちろん自分や親の為にも、頑張りたいと切に思った。


ただ家に居て、何もすることなく過ごす日々なんて、病気を悪化させるようなもの。
だからアタシは今動かなきゃいけない。


でも背負った入れ墨、背負った傷痕、隠して働くしかない。
こんなアタシがいい歳して成功できるのか…。
不安にもなる。
でも、前に居たキャバのNo.1は39歳だったから、まだやれる気がする。
いや、やるしかない。

彼氏が一緒に住もうって言ってくれるまで、アタシはやれる限りのことをやりたいと思った。
でも内心、身体の関係はない、所詮ホストでも、異性である以上、彼氏には言えないよね…。

ずるいよね…。



一人でほっといたら、倒れそうなホスト。
アタシの好きなホスト。
とにかく前に前に進むホスト。
見てるアタシがしんどくなる。
だからせめて、寮から出て、アタシの部屋で好きに生活したらいいと思った。
休みの日は、得意な料理作ってあげたい。
疲れてたら癒してあげたい。



こんなにアタシが想ってること、本人は知らない。
もう行かない、行けないよ、ってメールしてから、返事が来ない。

自分で思ってた以上に好きなことに気がついたら、
本当に悔しくて、情けなくて、
苦しくなっちゃって…。
痛い自分に腹がたって。
頭の中がごちゃごちゃになっちゃったから。


でも必死にプランを立ててる自分が居た。
アタシは本物のアホだと思いながらも…。
ホストの為に、なにかできることを、必死に必死に考えてる。
アタシは何もホストに求めてない。


これが無条件の愛だと知った。


今まで求めるばかりだったアタシが、初めて何かをしたいと思えた。



でも所詮薬なしじゃまともに生きられない、精神病の欠陥品。
逆に迷惑をかけるんじゃないかって不安にもなる。

でもアタシにとって、そのホストは、やっぱりとても大切だった。
< 8 / 241 >

この作品をシェア

pagetop