天使に恋した悪魔
「紹介しますわ.黒姫です」
母上が言った後ペコリと頭をさげた。
「アラ…美しい子だこと………こちらはアランです」
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しばらくの沈黙の後、死神のママさんが口を開いた。
「黒姫さん.顔をもっとみせてちょうだい。そんなに改まんなくていいのよ」
本当は嫌だったけどここで渋ると余計に空気が重くなりそうだと思ったのでそっとゆっくり目を開けて死神のママさん見つめた。
「お初にお目にかかります」
優しい口調でそう言うと会釈した。
「まぁ…美しい娘....悪魔って美しいのね..」
チラッと相手を見ると思わず吹き出しそうになった。
どんな奴かって?!
不細工
文字通り不細工を絵に例えたような奴だった。
腹が出たデブで両手にはお菓子を持っていた。
私と目が合うとお菓子を持っていた手がピタリと止まった。
ジッと見つめられたので慌てて目を背けた。
「あら.アー君は黒姫さんが気になったの??.」
えっ?!!!!!!!
「ここは若い二人に任せましょうよ」
死神ママは意気揚々だ。
「そうですね」
そして、母上と退出してしまった。
部屋で、二人きりになってしまった。
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