天使に恋した悪魔
「何者だ?」
「すいまっせ〜ん.天界から来ましたァ〜覚えてますゥ?!」
オレンジ色の髪のヘラヘラした男の人が真っ白な羽を大きく広げてこっちに歩いてきた。
「ちっ..テメーか」
「やれやれ...貴方ですか」
ゼウスはフーッと息をついた。
「気づかなかったでしょ?!俺たくましくなったし♪」
そう言って力こぶをみせて格好をつけた。
「ぃえ..知ってましたよ...髪をオレンジ色にしたことも」
ゼウスの一言に彼は目をまんまるにした。
「あれぇッッッ?!!!そなの?!」
彼が口を三角にして手を振り上げて驚いていた。
..オーバーリアクション...
「彼女が教えてくれたんですよ...黒姫挨拶なさい」
ゼウスがグイッと私を彼の前に押し出した。
「ゎわっ!!」
ゼウスが不意に押したので私は、つまづいて転びそうになってしまった。
「..っと」
彼が瞬間移動して私を支えてくれた。
フワッとローズマリーの甘い香りがした。
恐る恐る顔をあげるとバッチリ目が合った。
これが彼との出会い。
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