天使に恋した悪魔


健次が口元をぬぐって立ち上がりながら


「確かに俺達天使は悪魔を馬鹿にしてる.雲の上から見下している」








そう言って健次はゆっくり近づいてきた。









「健次よしなさい」




それでも健次は近づいてくる。






「写真撮らせてほしいのは...........」


バンッ













私はゼウスを振り払って部屋を飛び出した。






長い廊下を走って左へ右へ曲がって走りに走った。










後ろを振り返って誰も追い掛けてこないことを確認して前を向いた瞬間




ポスッ





誰かにぶつかってしまった。












甘いローズマリーの香り…












健次だった。











「写真撮りたかったのは見世物のためじゃない.......君が.....あんまりにも綺麗だったから」













健次はそう言うと私を優しく抱きしめた。













ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ




また龍になるのかな…
もぅやだ....







でも私の心配とは裏腹に龍にはならなかった。




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