天使に恋した悪魔
俺は、ゼウスの居る部屋になだれ込んだ。
「はぁ..また貴方ですか」
「大変だ!!!!!」
息をきらしながら叫んだ。
のほほんとするゼウスに苛立ちが隠せなかった。
「黒姫が..!!」
「黒姫.明日結婚するらしいですよ」
ゼウスは俺の言葉を遮った。一瞬ゼウスの言葉が信じられなかった。
頭の中が真っ白くなってしまっていた。
「え....」
「明日死神と結婚です」
俺はその場に座り込んだ。
その様子を見ていたゼウスがそっと俺を諭し始めた。
「……愛してしまったんですね彼女を..........しかし、諦めなさい。彼女は悪魔…貴方は天使ですよ。種族も職業も主義も思考も真逆です……」
ゼウスは俺を見下ろすと紅茶を飲み干してから続けた。
「相反する者同士、うまくいくはずがありません。それに、あの子は悪魔を代表する名門木崎家.貴方は天使を代表する名門桜井家です。貴方と彼女は天界と地獄を納める次世代の代表者なんですよ」
ゼウスはアポロンを呼び出した。
「………………それでも……それでも俺は……黒姫じゃなきゃダメなんだ!!!!!!!!」
そう。
自分でもついに認めてしまった。
俺は黒姫を見た時から……………………好きになってしまっていたんだ…。
「貴方にはマリエさんがいるでしょう」
一瞬マリエの顔が浮かんだ。でも
「俺は黒姫以外好きになれない」
僕の決意は岩のように固かった。
.