大切な人
『……だって』


『ん?』


『ずっと白石さんって言ってたから…』


『呼びたくない?』


『そんな事ない!』


少し焦って答えると白石さんが笑う


『本当はね、呼び方なんて関係ないんだけど
呼ばれてみたいなって思うんだ』


『うん』


私の髪を撫でながら見つめてくる


『……オサム』


呼んだ私は恥ずかしくて顔が熱い


『アヤ顔赤いよ』


いつもの私の台詞を言われて余計に恥ずかしくなる


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