大切な人
早くここから離れないとって思った


だけど私が動くより先に


目の前のドアが開いてさっき見かけた女の人が


少し俯きながら出てきた


私に気付いて少しだけ顔を上げたその人は


私の顔を見て驚いたような顔をした


そして―――………







全く想像してなかった出来事に


ただ唖然とした


私はこの人の事を知らない


見た事もない


オサムの知り合いだった事も知らない


それなのに


私は思い切り頬を叩かれた



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