大切な人
『アヤちゃんまたね!今度食堂でなんか食べよう』


『あ、あの!マサヤさんありがとうございます』


オサムがきたからか急に帰ろうとしたマサヤさんにお礼を言うと


ニコニコしながら手を振ってくれた


でも


マサヤさんがいなくなった教室の空気は一気に重たくなった


『アヤ』


『何?』


さっきの事のせいで冷たい口調になる


『マサヤになんか言われた?』


『は?』


『だからマサヤに――……』
『何言ってるの!?』


本当に腹がたった


さっきの事をちゃんと話してくれるのかなとか


少しでも思った私がバカみたい


『え?いや…あのさ』


怒ってる私にオサムは焦った顔をする


『マサヤさんに何も言われてない。マサヤさんは私の話しを聞いてくれただけだから
てゆうか、さっきの話しよりマサヤさん?意味わかんない』


一気に話してオサムから目を逸らすと


小さな溜め息が聞こえて


また泣きたくなった


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