大切な人
『ねぇ』


『うん?』


『オサムじゃなくて』


彼女のその言葉にオサムは私を自分の方に引き寄せる


『もう何もしないから』


そう言うから「何ですか?」と聞いてみる


『さっきはごめんね』


『…え?いや、私こそ……すみません』


『ううん、私が悪いの』


彼女はそう言って今度はオサムを見ると


『オサムもごめん。私もうオサムと話さないから』


『え?』


オサムは少し驚いた声を出す


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