大切な人
『アヤちゃんは一生懸命働いてて今時の高校生のわりには偉いなとか
気がついたらアヤちゃんの事ばかり考えててさ
……確信したのは偶然アヤちゃんに会った時かな……』


『………偶然会った……』


白石さんが言った言葉を思い出すように小さく呟いてハッとした


私が白石さんに偶然会ったのは


リョウに初めて殴られた……あの日だ


『ごめん!俺……』


『え、あ、いや大丈夫です』


白石さんが少し焦った声を出す


もうリョウの事を話しても私は全然大丈夫なのに


『白石さん?私白石さんの話し聞きたいんです』


『俺の話し?』


『はい。……私全然知らなかったから白石さんが思ってた事少しでも知りたいんです』


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