浮気性の彼
颯太さんかぁ…優しい人だったな。今度また連絡してみよ。
家の鍵を開けながらそんなことを考える。
でも、部屋に入り、携帯を確認した後、現実が蘇ってきた。
「隼人から…」
隼人から五件も電話がきていた。隼人から電話なんて滅多にないのにどうしたんだろう…
かけ直そうと、電話帳から“神風 隼人”の名前を出すけど、何を言われるのかと怖くて発信ボタンを押す手が震える。
よしっ。頑張れ椿。
自分を応援して、思いきって発信ボタンを押した。