王子様はご主人様!?


誰もいなくなった生徒会室……



「はぁ―…」



静かな生徒会室には、俺のため息だけが響く



――ドカッ



ソファーに雪崩れ込むように、座った



俺…一体何をしてんだよ……



ってか一体何がしたいわけ…?




謝りたかったのに、また無理やりキスして……



嫌がってる花梨を見たら、感情がセーブ出来なくなっていた。



“昨日のことは無かったことにしよっ?”



そう言って笑う花梨に、俺の中の何かがキレた気がしたんだ……



笑って“無かったことにしよ?”っと言った花梨…



無かったことに……?



花梨のいう通り、無かったことにすればいいのに…



そんなことを冷静には考えていられなかった…



ただ、花梨にとっては簡単に無かったことに出来るようなことだったのかと思うと……胸が苦しくなった。



苦しくなって花梨にブツけた……



“無かったことにしよっ?”


そう言った花梨のあの笑顔が頭から離れない…


キスはそんなにショックを受けることじゃなかったのか?



「意味わかんねぇ―…」



……って



「意味わかんねぇのは俺か…」




静かな部屋に、ため息混じりの俺の声が響いた……




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