王子様はご主人様!?
「とにかくさぁ、難しく考えすぎない方がよくない?」
「えっ……」
「きっと今はわからなくても、花梨にもわかる時がくるよ。」
わかる…時……?
「それに、花梨はもう、少しは気づいてるんじゃない♪」
クスッと笑って、またコーヒーを口に入れた
気づいてるんじゃない?
何を気づくの?
こんな感情、知らないよ……
「にしても、よかったじゃん。ファーストキスの相手が王子で」
ニヤリと唯が笑みを見せる
ファースト…キス……?
「あぁ―っ!そうだっ!!」
あたし、あれがファーストキスになっちゃたんだよっ!!
「最悪……」
少なくとも、乙女としてはファーストキスに憧れがあったのに……
それをあんな簡単に奪いやがって…
そう思うと、イライラが募ってくる
そんなあたしの様子に気づいたのか「まぁまぁ」とあたしを宥める唯
「ファーストキスくらい別にいいじゃない。初エッチしたってわけじゃないんだから。」
ゆ…唯さん……
あんた凄いことを、そんなサラッと言うなんて……