王子様はご主人様!?


――――――――――……


「おはよ―っ」



「あっ、花梨。おはよ。」



「おはよっ。唯」



「あの…大丈夫?」



「ん?何が?」



「輝くんのこと……」



たぶん唯のことだから、心配してくれていると思ってた…



「うん。全然大丈夫だよ♪気にしてないし♪」



「で、でも……」



「ってか、それより今はファーストキスを奪った輝が許せないくらいだしっ!」


「そ…そっか……」



「うんっ」



ニコッとだけ笑って、自分の机に向かった



「宮澤さん…。ちょっといいかな?」



優しいその声に反射的にうつ向いた


今一番会いたくなかった人……



「今日も生徒会の仕事、手伝ってくれると助かるんだけど…」



あたしは何も言えなくて、首を縦に振った


そうだよ……



あのキスはただの輝の気まぐれだった…



だからこんな風に普通に話しかけてきて、あたしから離れていく……




あいつにとってはあのキスはそんなモノだった……



わかってるのに……




昨日から胸が痛くて苦しい……




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