王子様はご主人様!?
ただその場から逃げたくて…
その場に居たくなくて……
足早に生徒会室から遠ざかった
なんでこんなに苦しいの…?
なんで胸がこんなに痛いの…?
なんで……涙が出そうなの…?
『花梨にもわかる時がくるよ』
『それに、花梨はもう、少しは気づいてるんじゃない♪』
そっ…か………
唯…あたし、気づいてたんだよね……
なのに認めたくなくて逃げてたんだ……
この“好き”という気持ちから……
あたしは…輝が“好き”なんだ……
悪魔で俺様なあいつを、あたしはこんなにも好きになってた……
でも、もうダメだよ…
輝はあたしじゃなく、綾香ちゃんを見てるの……
あたしじゃない他の人を……
それからあたしは数週間、輝を避け続けた……