王子様はご主人様!?



――…んっ



明るい日差しに、目を開けた



あぁ―…、昨日あのまま寝ちゃったのか……



ダルい体をゆっくりと起こし、キッチンに向かう



なんか喉痛ぇ―…



冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを口に含む



「あれ?もう起きたの?」



眠たい目を擦りながら、スウェット姿の綾香が立っていた



綾香はよく家に泊まるから、着替えなどもバッチリ家にある



今じゃ、あまり家に帰ってこない母親の部屋を使ってるくらい、家に住み着いてる


「あぁ、目が覚めた……」



「ふぅ〜ん。……ってお兄ちゃん風邪!?」



「は……?」



「顔真っ赤だよ?ちょっと声も変だし。」



「あぁ―…、かもな。ちょっと風邪っぽいかも…」



「風邪っぽいかもじゃないでしょっ!ほら熱計って!」



小棚から体温計を取りだし、押し付ける



やっぱり母親みたいだな―…



なんて考えながら大人しく熱を計った



「はい。見せて」



そう言って手を差し出してくる綾香の手に、体温計を渡した



「38.5℃!?」



……うるさい



あまり今デカイ声を出さないでほしい。


頭に響く……




「ほらベッドに戻って!」



「は?」



何で今起きたのにまたベッドに戻んだよ




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