王子様はご主人様!?

｢……好きなんだな。花梨のこと｣



｢あぁ―…｣



気づいたら俺のソバに居た……



気づいたら俺のソバで笑っていた……



気づいたら……好きになっていた。




｢ふっ…認めたか｣



｢うっせ。｣



もうこんなの認めるしかねぇだろ。



花梨が俺を見なくなったとたん、胸が痛くなった……


花梨が俺を避けるようになったとたん、息が出来ないくらい苦しくなった……




｢そっか。お前にも好きなヤツが出来るんだな―…｣


｢…んだよ。その言い方｣



｢だってさ、あんなモテモテなのに、女興味無さそうだったし。いくら綾香ちゃんがいるからって…｣



｢あいつらは、俺の表しか見てなかったからな。｣



そんなヤツらに興味を持つなんてあり得ない…



そう、だから花梨もあり得ないと思ってたのにな…




裏の本当の俺を見せたら、離れていく……



そう思ってたのに……



バカみたいに俺の言葉に突っ掛かってきて、頬を少し赤くしながら膨らましてた…



それがいつの間にか、可愛くて愛しくて仕方なくなっていた……