王子様はご主人様!?

｢そんな素直なところがあたしは好き。｣



｢………唯｣



｢だから、花梨は花梨らしく…素直に行動しなよ。｣



｢っ………｣



うるっと瞳が揺れた



｢ってことでさっさと告白しなっ！｣



｢ふえっ！？｣



一気に引いた涙



｢告白しないことには前に進まないのよ―っ！｣



感動終了…？


｢で、でも告白なんて出来ないよ…｣



出来るわけない……



｢それは……綾香ちゃんとかいう存在のせい？｣



――ドキッ



｢彼女がいたら花梨は諦めるの？｣



｢それは違うよっ！｣



｢じゃぁ…｢でもっ！綾香ちゃんのことになると、輝は凄く優しい顔をするの…｣


｢………｣



あたしの胸が苦しくなるくらいに……



｢そんな顔をさせてる綾香ちゃんに…あたしは勝てる気がしない……｣



自分で言ってて情けない…



弱くて、自信のないあたし…


強くならなきゃ、って思うのに、それが出来ない自分がもどかしい……



｢そっか…。花梨も恋、してんだね。｣



｢えっ…？｣



｢前までの花梨はさ、王子様の輝くんを好きって言ってたでしょ？｣



｢………｣