王子様はご主人様!?


「あぁ。今日は早く仕事が終わったからな。」



そう言うお父さんに「ふぅ〜ん」とだけ言って、向かいのソファーに座った




「花梨―っ。何か飲み物いる?」



お母さんがキッチンからひょこっと顔を出した


「ん〜。じゃあココア。」



「彗はコーヒーでいい?」



「あぁ」



ぶっきらぼうにそう返すお父さん



いつも思うんだけど、お父さんとお母さんって、全然性格が違う



明るくて幼いお母さんに対して、クールで大人って感じのお父さん。


よく、2人が結婚したよな〜〜



「はい。」



お母さんがあたしにはココア、お父さんにはコーヒーの入ったマグカップを差し出してきた



そして当たり前のようにお父さんの隣に座るお母さん



やっぱり不思議……



「ねぇ、お母さん。」



「ん?なに?」



「お母さんはお父さんのどこを好きになったの?」



「っ…ゴホッ!」



「さ、沙羅っ!?」



むせたお母さんの背中をお父さんが撫でる



「ど…どうしたの?突然そんなこと聞いて?」



はぁ―っと呼吸を調えて、あたしを見る




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