王子様はご主人様!?
「だってお父さんとお母さんって、性格全く違う感じじゃん?そんな2人が結婚してるから…」
お父さんとお母さんが顔を見合せる
「何か特別に意気投合することでもあったのか、相当好きなところがあったのかな〜って…」
「そんなの俺がSで沙羅がM…「うわぁぁ―っ!!」
お父さんの口をお母さんが手で押さえる
なんか、自分の父親ながら凄いこと言おうとしたよね…?
「彗っ!何言ってんのよっ!」
「だって別に間違ったことじゃないだろ?」
「だからって…!」
また痴話喧嘩、始めちゃったよ……
「コホンッ、と、とにかく……」
わざとらしい咳払いをして、あたしを見るお母さん
「最初はね、お母さん、彗のこと大っ嫌いだったの」
「えっ!?」
意外……
「ほら?彗ってこんな性格じゃない?だからこんな俺様で悪魔あり得ないって思ったのよっ!」
お父さん…一体お母さんに何をしたんだ?
「でも一緒に過ごしているうちに、だんだんそんな彗のいいところを見つけちゃってね…」
懐かしそうに話すお母さんは、まるで少女みたいだった……
「たぶん好きになったことに理由なんてないのよ。」
理由なんてない……か。
「ふふっ。それにしても花梨がそんなこと聞いてくるなんて珍しいわね。」
「えっ!?そ、そうかな!?」
パッとお母さんから視線を反らす
「あら〜その反応は〜〜」
うふふと不気味な笑みをこぼす