王子様はご主人様!?
重なる想い-輝Side-
「ふぁ〜〜」
「おはよ。お兄ちゃん」
「あぁ、おはよ」
コーヒーをマグカップに注いでいる綾香
「熱は下がった?」
「あぁ、まぁな。心配かけて悪かったな」
「うぅん。」
この様子だと昨日も綾香は家に帰らなかったんだな……
昨日、蒼依が帰ってすぐにまた寝てしまった俺。
そのおかげか、風邪は1日で治った
「あれ……?」
「どうかしたの?」
「イヤ…。ここにあったタオルしらね?」
花梨から借りっぱなしだったタオル
昨日、ソファーの横に置いてような気がしてたんだけど……
「ど、どっか別の場所に置いたんじゃない?」
うつ向いてそう言った綾香
「そうかな〜?」
「ほら!早く用意しないと、遅刻するよっ!」
「あぁ―…」
仕方ないな……
帰ってから探そ……
あれは絶対に無くせないモノだから……
「ねぇ、お兄ちゃん…」
「ん?」
「お兄ちゃんはあたしだけが一番大事だよね…」
「綾香……?」
「って、やっぱり何でもないっ!あたし一旦家に帰るね」
それだけ言って足早に家を出ていった
……綾香、一体どうしたんだ?