王子様はご主人様!?
そう、俺が連れてきたのは築40年のうちのボロアパート
信じられないような表情の花梨をまだ引っ張る
「えっ…!?ちょっと?!」
――ガチャ
「入って」
「えっ…でも…「いいから」
ドアを開け、半場無理やりにうちに押し込んだ
「そこ座って」
ソファーを指差した
「あっ、お邪魔します…」
諦めたのか、素直に応じる
「これが王子様の正体」
「………」
「母子家庭の普通の一般人。性格だって優しくもないし、お金持ちでもないし……王子様なんて程遠いんだよ…」
「…なんで……あたしにそんなこと教えたの…?」
「……好きだから」
「………え」
「花梨のこと、好きだから……。王子様でもない、ただの井之上輝として、お前に気持ちを伝えたかった」
「っ……」