王子様はご主人様!?
秘密-輝Side-
「ちゃんと花梨にも話そう。」
「でも……」
「このまま、2人の関係を隠すわけにもいかないだろ。」
「そうだけど……」
さっきから歯切れの悪い返事しか返さないのは、花梨の親友の成田唯。
何でこんな事になったのかは……ほんの数十分前にさかのぼる。
―――――――――……
「たくっ。加賀のヤツ、職員室に居ろよ。」
小さく文句を呟きながら向かっているのは、図書室。
先ほど職員室に行ったら若い女の先生に『加賀先生なら図書室に行ったわよ』と言われた
だから仕方なく、今図書室に向かっている
今度の学園祭の事で、どうしても加賀にこのプリントを見てもらわないといけない。
図書室って、けっこ―遠いんだからよ。
花梨も生徒会室で待ってるのに……。
はぁ―やっとついた。
「――…んで!ちゃんと断るって言ったじゃん!!」
……えっ?
ドアをノックしようとした俺の耳に聞こえたは、叫ぶような女の声。
はぁー、加賀のヤツ。なんか修羅場かよ。
だからと言って、このプリントを渡さないわけにもいかねぇしな―。
ドアの前で考えながらたたずむ。
「悪かったって。でもどうしても断れなくてさ……」
「そんなの理由になんないよっ!!」