王子様はご主人様!?


気の強い女だな―



「ほんと悪かったって。なっ、機嫌直せよ。……唯。」



……は?唯?



「圭斗はいつもそう。あたしを子供扱いして」



圭斗って、確か加賀の名前だよな…?



って、いうかその前に唯って…もしかして……



「子供扱いなんて…」



「してるよっ!やっぱり圭斗はあたしの事、生徒にしか思ってないんでしょ!?」



「なんでそうなんだよっ!!」


「っ!もういい!!」



「おいっ!!唯!!」



やべっ!



反射的に近くの物陰に隠れた。



ガラッと勢いよく開いたドアから出てきたのは……やっぱり同じクラスの成田唯だった。




マジかよ…。あの成田が加賀と……!?



花梨の親友で髪をいつもポニーテールに結んでいる、スポーツ万能な女。




さばさばしてる性格からして、男に興味なさそうだったのに……



まさか、加賀が相手かよ……



つーか、この事花梨は知ってるのか?




とっさにそう思い、成田を追いかけた。



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