王子様はご主人様!?


「泣いてましたよ。号泣です。」



ちょっとした意地悪。



あいつが号泣とか、イメージ無さすぎ。


「そっか……」


おっ。意外にダメージデカかったか?




「先生はなぜ生徒と付き合ってるんですか?」



「唐突だな。」


「そうですね。」


「…ふっ。でも、お前らしいよ。」



俺らしい…?



加賀に俺の何がわかるんだよ。



「……生徒だから付き合ってるんじゃない。…好きになったヤツが生徒だったってだけだ……」


っ……


不覚にも、加賀が少しかっこよく見えた



「ほら、サイン。」



「あっ、ありがとうございます」



「唯のこと、よろしくな」



それは先生としてですか?


それとも彼氏として…?




そう聞こうかと思ったが、聞く必要もないな…と思った。



加賀の目はどこか切なそうで、俺じゃない誰かを見ているような瞳だったから……


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