王子様はご主人様!?
「花梨〜お昼食べ…「ごめん。あたしちょっと生徒会行くから」
「…あっ…そうなんだ………」
少し悲しそうな瞳が見えたけど、そのまま弁当を持って教室を出た
生徒会室に用事なんてない。
ただ、唯と一緒に居たくないだけ。
「って、このままじゃダメだよね……」
生徒会室の椅子に座り、机になだれ込むように倒れる
でも怖い…
もしかして隠してることが、凄くショックなことだったら?
そしたらあたしは大好きな人を一気に失ってしまう……
逃げてるってわかってるけど…
けど………
――ガラッ
――ビクッ
突然開いたドアに、肩が跳ねた
「何してんだよ。一人で」
ドアを開けて第一声にそう言った輝
「べ、別に…」
プイッと顔を背けた
「なんかあったわけ?昨日電話にも出なかったし」
「なにもないよ。気づかなかっただけ。」
なんて嘘に決まってる。
だって輝からの電話初めてだったんだもん。
輝専用の着信音にしてたから、すぐにわかったよ?
でもあんな気持ちの時に、あの着信音は聞きたくなかった……
それ以上に輝の声を聞くのは怖かった……