王子様はご主人様!?


「そっちこそ、昨日から珍しいよね?」


「は?」



「電話してきたり、昼休みにわざわざ会いにきたり」



本当は嬉しいのに、強がってしまう


「いいだろ。会いたかったんだから」



――ドキッ


……卑怯だよ



こんな時に、優しい言葉を言うのは



「花梨だって、生徒会室に一人でいるなんて珍しいよな。いつも怖がって一人では来ないのに」


「怖がってないっ!」



まぁ、それは今が昼間だからだけど。



「ってかよく分かったよね?あたしが生徒会室に居るって」



「えっ…?あ…まぁな。」



少し言葉を濁した輝



……もしかして



「……唯に聞いたの?」



それが一番あり得る



「あぁ。さっき聞いてさ…」


次は安心したかのような顔


まるで一つひとつ言葉を探って話しているかのよう。


話しちゃいけないことでもあるの……?



何をそんなに隠しているの…?




言えないから、そんなに焦るの…?



「つ―か、成田なんか悲しそうだったぞ」


「…え」



「友達だろ?もう少しさ……」




なんであたしが責められないといけないの?



< 175 / 348 >

この作品をシェア

pagetop