王子様はご主人様!?
「そっちこそ、昨日から珍しいよね?」
「は?」
「電話してきたり、昼休みにわざわざ会いにきたり」
本当は嬉しいのに、強がってしまう
「いいだろ。会いたかったんだから」
――ドキッ
……卑怯だよ
こんな時に、優しい言葉を言うのは
「花梨だって、生徒会室に一人でいるなんて珍しいよな。いつも怖がって一人では来ないのに」
「怖がってないっ!」
まぁ、それは今が昼間だからだけど。
「ってかよく分かったよね?あたしが生徒会室に居るって」
「えっ…?あ…まぁな。」
少し言葉を濁した輝
……もしかして
「……唯に聞いたの?」
それが一番あり得る
「あぁ。さっき聞いてさ…」
次は安心したかのような顔
まるで一つひとつ言葉を探って話しているかのよう。
話しちゃいけないことでもあるの……?
何をそんなに隠しているの…?
言えないから、そんなに焦るの…?
「つ―か、成田なんか悲しそうだったぞ」
「…え」
「友達だろ?もう少しさ……」
なんであたしが責められないといけないの?