王子様はご主人様!?


「花梨……」



「あっ、ごめん。…なんでも無いの……」


ボソッと呟くような声で、それだけ言ってドアに向かった



とにかくここから出たかった…


ここに輝と居たくなかった……



「ちょっ、待て!」



ガシッと握られた右腕



「花梨…どうしたんだよ?様子おかしいぞ?」



「大丈夫……」



「なにが大丈夫なんだよ…」


怒ったような声に、顔を反らしてしまう




「だから、本当にだい…ん゙っ!」


顎をグイッと捕まれ、唇を塞がれた



「ふ…やっ……」



幸せな気分になるはずのキスが、今は苦しくて仕方ない…



「やめっ……ん゙んっ!?」


ぬるっとした感じの温かいものが、口の中にそっと入ってきた



こ、これって…!?



「やっ…だっ……」



差し込まれた舌から逃げるように、首を振ろうとする


けど、それは許されず、後頭部を押さえられる



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