王子様はご主人様!?


――ガチャ



「おっ、誰も居ない♪」



「当たり前じゃん。授業中なんだし、ここ屋上なわけだし。」


「あははっ♪そっか♪」



本当に能天気……



あたしたちが今居るのは、屋上…



ちなみに屋上は立ち入り禁止で、初めて来た。


こんなとこ、誰も来るはずないじゃん。



「で、花梨?何があった?」


「……え?」


「まだ目が少し赤い。昨日もあんまり寝てないだろ?」



「っ………」



あたしをジッと見つめる蒼依くんから顔を反らした



「どうせ輝絡みだろ?」



――ドキッ


「おっ、図星♪」



「…だ、だったらなによ……」



なんか悔しい…


「何があったわけ?」



「……」



「話したら少しは楽になるかもよ?」



そう言った蒼依くんに、あたしの心が揺らいだ


「実はさ………」



そしてゆっくりと内容を話した



本当は誰かに相談に乗ってもらいたかったのかも知れない……



でもいつも信頼してる唯にも、大好きな輝にも相談出来なかったから…



話している途中に、また流れそうになった涙



話し終わった時には、もう顔も上げられてない状態だった



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