王子様はご主人様!?


生徒会室にはやはり花梨が居て、花梨も何か思い詰めたような顔をしていた



「何してんだよ。一人で」



「べ、別に…」


いつも通り話しかけた俺に、プイッと花梨が顔を背けた


「なんかあったわけ?昨日電話にも出なかったし」


電話とか初めてで、正直緊張していたし、何より送って帰れなかったから声が聞きたかった



「なにもないよ。気づかなかっただけ。…そっちこそ、昨日から珍しいよね?」


「は?」



「電話してきたり、昼休みにわざわざ会いにきたり」

ダメなのか…?



「いいだろ。会いたかったんだから」



俺らしくない、セリフ



なんか弱い自分を見せた気分だ…



「生徒会室に一人でいるなんて珍しいよな。いつも怖がって一人では来ないのに」


「怖がってないっ!」


なんかそんなセリフを言ってしまった自分が恥ずかしくて、あえて話しをそらした



「ってかよく分かったよね?あたしが生徒会室に居るって」



「えっ…?あ…まぁな。」



成田に聞いたって言っていいのか?



今成田とあまりいい雰囲気じゃない花梨に、成田の名前を出すか迷った



「……唯に聞いたの?」



呟くような声


でも俺は成田の名前を出すことがタブーじゃないと分かり、安心していた




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