王子様はご主人様!?


そして花梨は泣きながら謝り、生徒会室を出ていった



俺はそんな花梨を追うことも出来ず、ただ立ち竦んだ……




悔しかった……


頼ってくれてないこと…



悲しそうに俺を見たこと……



そして何より、そんな表情をさせてしまった自分に悔しさを感じた




ケータイを取りだし、発信ボタンを押す



「もしも―し」


聞こえるのは能天気なあいつの声



「蒼依……」



「ん、どうした?俺が恋しくなったか?」



「………」


「輝……?何かあったのか?」



俺が何も言わないことを不審に思ったのか、蒼依の声のトーンが下がった


「頼みがあんだけど…」



「頼み?」



「今すぐ花梨のとこに行ってほしいんだ」



「……は?俺が?」



「頼む…」



「……分かった。生徒会室のある校舎に行けばいいよな?」



「あぁ―…」



今頼れるのは蒼依だけだ。



今俺が追いかけても、きっと花梨は俺をまともに見てさえくれないだろう…



だからと言って、一人にはしておけない…



だから、今は蒼依しかいない





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