王子様はご主人様!?
どれくらいここに居たんだろう
ほんの数分かも知れない……
でも気づいたら、床に座り込んでいた
――ガラッ
「輝くん……」
うつ向いて入ってきた成田
「花梨なら居ねぇよ」
「知ってる。蒼依くんとの電話、たまたま近くで聞いちゃって…」
「……そっか」
床から立ち上がった
「なぁ、成田。花梨にはやっぱり話さないのか?」
「っ…。話したい…けど……でも……」
「何かあった?」
俺から視線を反らし、自分の手首を握った成田
「“先生と生徒なんてイヤ”って言われちゃった……」
……は?
「本当に花梨がそんなことを言ったのか?」
「うん…」
どうしたんだよ…花梨……
花梨がそんなこと言うなんて…
「でもそれが花梨の本音だったら……怖い」
いくら成田が加賀と付き合ってるってるのを知らないからって…花梨がそんな冷たい言い方をするわけない。