王子様はご主人様!?


どれくらいここに居たんだろう


ほんの数分かも知れない……



でも気づいたら、床に座り込んでいた



――ガラッ


「輝くん……」



うつ向いて入ってきた成田



「花梨なら居ねぇよ」



「知ってる。蒼依くんとの電話、たまたま近くで聞いちゃって…」


「……そっか」



床から立ち上がった


「なぁ、成田。花梨にはやっぱり話さないのか?」



「っ…。話したい…けど……でも……」



「何かあった?」



俺から視線を反らし、自分の手首を握った成田



「“先生と生徒なんてイヤ”って言われちゃった……」



……は?


「本当に花梨がそんなことを言ったのか?」



「うん…」



どうしたんだよ…花梨……


花梨がそんなこと言うなんて…



「でもそれが花梨の本音だったら……怖い」



いくら成田が加賀と付き合ってるってるのを知らないからって…花梨がそんな冷たい言い方をするわけない。



< 187 / 348 >

この作品をシェア

pagetop