王子様はご主人様!?
解決-花梨Side-
「よしっ!」
自分にかけ声をかけて立ち上がった
「おっ?花梨復活か?」
「うんっ。ありがと、蒼依くん」
「いえいえ。お礼はまた今度貰うから」
「え゙っ…」
あははと笑う蒼依くんを、キリッと睨んだ
「俺は高いよ〜」
し、仕方ない……
今度何か奢るか……
「じゃあ、あたし帰…」
――ガチャ
突然開いた屋上のドア
……え?
――グイッ
「きゃ…「しぃ〜」
ドアが開いたと同時に右手を引かれて、もの陰に引っ張られた
「な、なにするのっ!」
「だ・か・ら、しぃ〜って…」
座ったままの蒼依くんが人差し指で“静かに”の合図をした
手を引かれた反動で、あたしもまた隣に屈んだ
もぉ、一体何なのよっ!
「――…だよ」
え?誰…?
声のした方をチラッと覗く
「立ち入り禁止だから初めて入った―っ!」
「うるせぇよ…」
な、なんで2人が…?
あたしの目に見えたのは、言い合いをしている輝と唯の姿…
仲良さそう……
さっき元気を取り戻したのに、また気分が下がり始めた
「大丈夫だ。花梨……」
呟くようにあたしを励ます蒼依くん
何が大丈夫なのよ……