王子様はご主人様!?
「へぇ〜、仲良さそうじゃん。」
口元は笑ってるけど、目が笑ってないっ!!
「そんな密着しちゃってさ〜」
っっ!!
反射的に蒼依くんと距離をとった
あたしの口を塞ごうとした蒼依くんとの距離は…確かに近くなっていた
「いや、輝。これは違うんだっ!」
なぜか必死な蒼依くん
「ふぅ〜ん。違うって何が?」
笑顔が怖い!!
「と、とにかく俺は帰りま―すっ!!」
「えっ!ちょっと!!」
逃げるように走りだし、屋上から出ていってしまった輝くん
えぇ〜!この状況にあたしだけ置いていかないでよ―っ!!
そっと輝に視線を戻すと、相変わらずの悪魔的な笑顔を浮かべている
とにかくここはどうにかしなければっ!
「ゆ、唯と先生は…?」
「もう帰った。」
「へ、へぇ〜〜」
そんな単語で返さないでよっ!
「なぁ、花梨……」
「はっ、はいっ!!」
つい敬語になってしまう
「……さっきは悪かったな」
「……え?」
少し悲しそうな瞳が、あたしを見つめる