王子様はご主人様!?
「まぁ―まぁ―、いいから座りなよ」
ニコニコ笑う綾香
「あ、あぁ―…」
促されるように綾香の隣に座った
「で…?何でこの組み合わせ?」
「お兄ちゃんのクラスに行くのにも、教室が分からなくて―。その時にたまたま見覚えのある人が居てさ」
「それで連れてきてもらったと?」
「うん♪」
はぁ―…
だからって、普通1人で他校の学園祭来るか…?
綾香も同じ中学だから沢田を知らないとは言えない。
だからと言って、よくあの一匹狼の沢田が綾香をここまで連れてきてくれたよな―…
意外に優しいヤツなのか?
「それにしても、井之上変わったな…」
無表情のままそう言った沢田
クールなヤツ……
「まぁな。こっちの方が便利だし。」
中学の時はこんな王子様みたいな、裏表人生は送ってなかった。
だからこいつは俺の本性を知っているんだろう……
でもこいつは他の奴に言うようなヤツじゃないだろし…
「つ―か綾香はさっさと帰れ」
「えぇ〜なんで〜〜」
「何でもだ。」