王子様はご主人様!?
「何だよ…。お前はイヤだったのか……?」
「ち、ちがっ…!」
違うけど……輝に迷惑をかけるのはイヤ……
「何考えてるか知らねぇけど、あれは俺の自己満足だから。」
「……自己満足?」
「そっ。これで花梨は誰のモノか、ちゃんとみんな理解しただろうし♪」
「なっ///」
ニヤリと見せる笑みに、悪魔を感じた
「……ぉ兄ちゃん……」
……え?
その時、耳を掠めるくらいの小さな声が届いた
「綾香!?」
振り向くと制服を着て、バッグを両手で握りしめている橘さんが立っていた
「やっぱり……」
……やっぱり?
綾香さんの視線はあたしたちの顔じゃなく、違うところを見ていた
それに気づいた輝が、口を開いた
「綾香、黙ってて悪かった。俺たち…」
「付き合ってるの?」
――ドキッ
そっか…橘さんが見てたのはあたしと輝の繋いでいる手