王子様はご主人様!?
確か、橘さんって…極度のブラコンって……
何を言われるのかとドキドキしながら、橘さんの言葉を待つ
「…よ…よかったじゃん♪」
「「……え?」」
「お兄ちゃんもやるね―。こんな可愛い人彼女にしちゃってさ。」
――ホッ
よかった……
ニッコリ笑いながら話す橘さんに一気に肩の力が抜けた
「花梨さん。」
「は、はいっ!」
突然名前を呼ばれて挙動不審になるあたし
そんなあたしに微笑みかけながら近づき、輝と繋いでない手を握ってきた
「お兄ちゃんのことよろしくね。」
「橘さん……」
「もぉ―っ。橘さんなんてそんな他人行儀みたいに呼ばないでください♪綾香でいいですよ♪」
「あっ…じゃあ綾香ちゃん…で。」
「はいっ♪…これからもよろしくお願いしますね。花梨さん…」
そう言った綾香ちゃんに一瞬身震いを感じた
「ほら、もういいだろ。綾香。俺、花梨を家まで送っていくから」
「うんっ。じゃあね」
ニコッとあたしたちに笑いかけ、帰っていった綾香ちゃん。
さっきの身震いは気のせい…だよね?