王子様はご主人様!?
適当に付き合ってたからって、バカすぎる。
「綾香っ!!」
「あっ、お兄ちゃぁ〜ん」
ニコヤかに笑いながら手を振る綾香
はぁ―…
「お前、酒なんて飲んでんじゃねぇよっ!」
「お酒じゃないもんっ!ジュースだもんっ!」
ジュースなわけねぇだろっ!
顔も赤いし、アルコール臭だってするしっ!
「とにかく帰るぞっ!」
「えぇ〜やだぁ〜〜」
「やだじゃないっ!ダダを捏ねるなっ!」
疲れる……
「はぁ―…。綾香、マジ俺、疲れてんだけど……」
だから早く帰らして……
「疲れてるの〜?じゃぁ、あそこで休んで行こぉ〜」
そう言って指差す先にあるのは、キラキラのネオンの看板
「っ!ふざけるなっ!!」
綾香が指差した先は、なんともネーミングセンスのない“にゃんにゃん”
「うぅ〜なんで怒るの〜〜。」
ついに泣き出してしまった綾香
「お、おいっ!泣くなよっ!」
「うぅ〜〜〜」
こんなホテル街で号泣する女……
そして、それを慰める俺……
つまり…確実に周りから冷たい視線を感じる