王子様はご主人様!?
「あのな花梨、これは…「触んないでっ!!」
なんでなの…?輝……
「……花梨?」
目を見開いて、輝が言葉を詰まらせた
「……最低」
「は!?違っ……」
あたしが、あんな目に合ったのに……
こんなに、苦しいのに……
「か…りん……」
「もう知らない…。輝のバカっ!!」
それだけ言って、その場から走って逃げた
ただただ走って、荒れる息も気にせずただ走った……
誰にも会いたくなくて……
誰を信じたらいいのかさえ分からなくて…
気づいたら屋上に居た。
屋上は立ち入り禁止なだけあって、誰もいない。
空は雲一つない晴天で……あたしの心とは真逆だった。
ねぇ、輝……
なんで追いかけこないの?