王子様はご主人様!?
輝……
あたし、輝をいつまで避ければいいのかな……?
自分で避けているのにこの先、輝との関係がどうなるかと思うと不安で仕方ない……
「じゃあ花梨、資料取ってくるからここで待ってて。マンションの中だったら安全だから」
と言って、彰ちゃんはエレベーターに乗り込んだ
エレベーターは最上階で止まった
この高層マンションの最上階とは……
さすが沢田家……
それからすぐに彰ちゃんは資料を持って下りてきた
「はい。これ。わざわざ取りに来させて悪かったな」
「うぅん。大丈夫だよ。」
資料を受け取り、マンションを出る
「車のとこまで送るよ。駐車場、意外に暗いからさ」
「あっ、うん」
そう言って歩く彰ちゃんの横に小走りで近づいた……その時
「……花梨っ」
耳に届いた声
振り返らなくても、誰か分かった……
分かるくらい、あたしはその人でいっぱいだから……
いっぱいで仕方ないから……
「輝っ……」