王子様はご主人様!?
――ブチッ
「おいっ!綾香!?」
無理やり切られた携帯からは、定期的な機械音しか聴こえない……
何度も綾香に電話しても、電源を切ったのか繋がらない……
「綾香ちゃん?どうかしたのか?」
後ろで心配そうに蒼依が俺を見る
綾香が謝った理由が分からない……
綾香は何に謝ってるんだ……?
「おい!輝?大丈夫か?」
「ちょっと俺、行くわ…」
「は!?行くってどこに!?」
「綾香がなんか様子おかしくて……。とにかく行くから」
「お、おいっ!!」
蒼依が呼び止めるのも聞かずに、屋上から出た
綾香が行きそうなところは手当たり次第に当たった
何か嫌な予感がする……
自分のアパートに走り、中に入る
いつもと変わらない光景だけど、何か違う
綾香の私物が全て綺麗に無くなっていたんだ……
何があった……?
パニックになりつつある頭で、必死に考える
――♪〜♪♪
その時、携帯が鳴った