王子様はご主人様!?
ディスプレイには[蒼依]の文字
――ピッ
「……もしもし」
「おいっ!輝っ!綾香ちゃん居たぞ!!駅近くの公園だっ!」
そう言ってきた蒼依の息は荒れていて、蒼依も走って探してくれていたことが分かった。
「今から行く」とだけ言い、走り出した
もう外は夕日がかってきていて、電灯もチラホラ付き始めていた……
「綾香っ!!」
走ってたどり着いた公園のベンチに、丸くなるようにして座っている綾香
――ホッ
まずは綾香が無事だと分かり、胸を撫で下ろした
「輝……」
蒼依が綾香の横に座り、綾香の手を握っていた
そして綾香との手をほどき、俺に近づいてくる
「蒼依……」
「綾香ちゃん……俺を見たとたんに逃げようとしたんだ……。だから咄嗟に捕まえちゃってさ……。それからはただ泣きながら謝ってる……」
ベンチに力なく座る綾香に近づいた
「綾香……」
――ビクッ
一瞬震えた綾香の肩