王子様はご主人様!?


「綾…「ごめんなさいっ…」


「あ…「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」



俺の言葉なんか遮って、ただ泣きながら謝る綾香


何も聞かないように耳を塞ぐ綾香の姿は、何かに追い込まれたような姿だった……


「綾香っ!!」



そんな綾香の肩を掴み、無理やり俺の方に向けた


「綾香……」



「っ……ごめ、んなさい……」



大きな目からは涙がポタポタ落ちて、唇は噛んでいたのか赤い血が出ていた


「綾香……何があった?」



怖がらせないように……


安心させるように……ゆっくりした口調で話した



綾香のこんな姿は久しぶりだった。


一度だけ親父が綾香に手をあげた時があった。



その後綾香は意味も分からず、俺たちに謝った


綾香の心が壊れた瞬間だった―……



それがあってからは俺は綾香の兄として、一番ソバに居てやろう…と心に決めていた



でも今の綾香には俺の存在事態に怯えているように見える……



「あ、あたし……」



ゆっくり口を開いた


「花梨さんに……」


「花梨……?」



さっきの電話でも花梨の名前を出していたよな?



「花梨と何かあったのか?」


「っ……。花梨さんをレイプさせようとした……」



――ドクッ


「は……?」



意味の分からない単語に、頭が真っ白になった



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