王子様はご主人様!?
昼休みになり、ただボーと席に座っていた
何人からか声をかけられたが、反応すらする気がしなかった……
――♪〜♪♪
携帯で震えた携帯
取る気なんてなかったが、鳴りやまない携帯
「はぁ―……もしもし…」
仕方なく、通話ボタンを押して耳に当てた
『おいっ!!輝っ!!』
っ!うるせぇ!!
携帯を耳から少し離した
『輝っ!輝――っ!!』
「聞こえてるから。うるさい蒼依…」
頭に響く……
『そんなこと言ってる場合じゃねぇんだよっ!お前今から帝国ホテルに来いっ!!』
「は?なんでだよ……?」
何か忘れ物か?
俺は届けないからな……
『いいから来いっ!このままじゃ花梨、結婚させられるぞっ!!』
「……は?なんの冗談…」
『冗談なんかじゃねぇよっ!!』
焦ったような蒼依の言い方に、嘘じゃないことはすぐにわかった