王子様はご主人様!?


――『…お前を…抱いてやる』


先に興味を持ったのは俺だ……



――『輝っ!頑張ってっ!!』


こんなに花梨にハマったのも俺だ……



――『そんなこと言われたら、諦められないじゃん』


違う……諦められないのは俺だ……



――『っ……だったらっ!だったらっ!最初から付き合うなんて言わないでよっ!!』


あんなこと……あんな顔……させたいわけじゃなかった……



俺が見たかったのは……



……花梨の笑顔だけなんだ―……


――――――――――………


「はぁ―…はぁ―…」


やっと着いた帝国ホテル



「はぁ―…宮澤家のパーティーはどこでありますかっ!?」


受付に走り寄り、そう尋ねた


「えっ、あっ、宮澤様でしたら三階の会場で……え?お客様!?」



全てを聞く前に走り出していた


エレベーターの方が早いのかも知れないけど、待っている時間さえ惜しくて、非常階段を駆け上がった



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