王子様はご主人様!?


「俺が、花梨を幸せにしたいんです。花梨と……一緒に生きていきたいんです。」


止まりそうだった涙が、また流れた


「輝くん……。それは今だけでは無く、将来も考えて言っているのか?」


輝を見ながらお父さんがそう言った



「花梨はうちの一人娘だ。つまり、花梨との将来を考えているなら、輝くんはこれからもっと大変な日々が待ってるぞ」


っ……


そうだ……


あたしと一緒にいるということは、宮澤財閥の後継者として生きていかないといけない。



「花梨のために、色々なことを諦めてもらわなきゃ、いけなくなるかも知れない……」


これが現実……



もし夢を持っても、あたしのために輝はそれを諦めていかなくちゃいけない……


「キミに、後継ぎとしての覚悟はあるのか?」



怖い……


怖い…………


――ギュッ


えっ……



強く抱きしめられた肩



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