王子様はご主人様!?


それから一時して、そこに訪れた人



「……綾香ちゃん?」


何で綾香ちゃんが?



意味も分からず、首を傾げる


「綾香……」


そう輝が呼ぶと、体をビクッと震わせ、視線をあたしに向けた



「あの……あたし…っ。ごめんなさいっ!!」



「えっ!?」



突然あたしに謝ってきた綾香ちゃん


「な、何!?どうして綾香ちゃんが謝るのっ!?」



頭を下げている綾香ちゃんに、どうしたらいいか分からずただ1人でパニックになる


「あたしなんですっ!花梨さんがイヤな目に合ったのっ!」



イヤな目……?


「お兄ちゃんを取られたのが悔しくて、悲しくて……。だからあんな嫌がらせを……。」



あっ……そうか。


そうだったんだ……



「まさかあんなことになるなんて…っ。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」


泣きじゃくりながら謝る綾香ちゃん



「綾香ちゃん……」


――ビクッ



そっと近づき、手を握った


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