王子様はご主人様!?
綾香ちゃんの肩を抱き寄せる蒼依くんは、愛しそう綾香ちゃんを見ていた……
きっと綾香ちゃんにも、素敵な人が出来るんだろうね…
――ガチャ
「入って……」
アパートについて、鍵を開けて中に入れてくれた輝
「あっ、お邪魔しま―す」
そう言ってあたしも靴を脱いて上がった瞬間……
――ギュッ
後ろから抱きしめられた……
「ひ、ひか…「ごめん……」
「えっ……?」
「ごめん……。俺、花梨を守れなかった……」
今にも消えそうで、弱々しい輝の声が耳に届いた
「怖かったよな……。すぐに抱きしめてやれなくてごめん……」
「輝……」
あたしの首に回された手が、小刻みに震えている
「輝のせいじゃないよ。それに、今抱きしめてくれてるじゃない?」
だからそれで十分……