王子様はご主人様!?


「ひ、輝?大丈夫だった?」


心配そうに俺を見てくる花梨


「あ、あぁ―…。沙羅さんには悪いかもしれないけど……」


「えっ?お母さん?」


「いや、何でもない……」



不思議そうに俺を見る花梨に、何も言うべきではないな。と勝手に判断した


「にしてもさ、輝の部屋って殺風景だよね―…」



「まぁ、家事態が殺風景だからな。」


ボロアパートだし。



「なんかカラフルなモノ買ったら?明るい気分になれるよ♪」



いい提案!みたいな顔を俺に向けてニコニコ笑う


「今何か必要なものないの?」


「必要なモノ……。あっ、そういえば最近マグカップ割った」



「じゃあ明日マグカップ買いに行こっ!!」


まだいいとも言っていないのに、決まったような雰囲気



まぁ―…いっか。


「じゃああたし、夜食でも何か……うきゃっ!!」


そう言って、シーツをグルグルに巻いたまま、立ち上がろうとした花梨の腕を引いた



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