王子様はご主人様!?
小さな恋の始まり
〜綾香Side〜
「あ・や・か・ち〜ゃん♪」
「…………」
「なぁ、綾香ちゃんってばっ!」
「……」
「あや…「蒼依くん。うるさい」
何故か学校の前で待ち伏せされてたあたし
田辺蒼依くん。あたしの一つ上の先輩で、お兄ちゃんの親友
でもあたしは正直蒼依くんと仲良くなろうなんて思ってない。
だってあたしの理想はお兄ちゃんなんだもん……
頭が良くて顔も良くて、パーフェクトなあたしの兄
あたしの理想そのもの。
それに対して真逆な蒼依くん。
お兄ちゃんがなんでこんな人と仲良くなったか、全くわからない。
「なぁ、なぁ。今から暇…「じゃないです」
「早っ!!もうちょっと考えてよっ!!蒼依くんショック!!」
ったく、うるさいなぁ―…
あたしはお兄ちゃんみたいに、クールな人がいいの。
「あたしもう帰…「らせないから」
「へ……えっ!?」
掴まれた右腕
「ちょ!ちょっと!!」
「綾香ちゃんは今からデートのため、俺と帰りま―す♪」
「はあああ!?」
な、何なの!?
信じられない!!
あたしの抵抗も虚しく、そのまま引き摺られていくあたし
な、何でこうなるのよ――っ!!